殺害の資産家も投資、クロニクルという会社 業績不振、虚偽記載疑義で八方ふさがり

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業績のほうはというと、営業赤字が続いていて、直近の決算書類には、会社の事業継続性に対する疑問である「継続疑義の前提に関する注記」が付いている。

会社側は今13年9月期で営業赤字を脱却するとしているが、これは新株予約権の行使によって実際に株式が発行され、その購入資金が払い込まれて運転資金の調達ができるという前提に基づくものだ。実際は行使が進んでおらず、業績回復はかなり厳しい。

孫会社が薬事法違反の過去も

1月31日には、結婚情報サイトやWEB広告を展開する子会社と孫会社を売却し、宝飾品事業に経営資源を集中すると発表した。しかし、12年の年末商戦でも宝飾品の売り上げは芳しくなかった。新店を出したり、品ぞろえを拡大しようにも資金が不足していてはどうにもならない。

過去には11年に孫会社が無許可でサプリメント販売をしたため、薬事法違反で孫会社社長と同社従業員1名が神奈川県警に逮捕されるといった事件も起きている。この結果、孫会社はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社から公式サイトの運営契約を解除されてしまった。

継続疑義の注記、決算書類の虚偽記載疑惑、運転資金不足、本業の低迷、ガバナンス欠如と八方ふさがりの状況は続く。
 

東洋経済オンライン編集部

ベテランから若手まで個性的な部員がそろう編集部。編集作業が中心だが、もちろん取材もこなします(画像はイメージです)

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