徳洲会、日本最大の医療グループに走る激震 二男の政務官辞任に続き、徳田虎雄ファミリーと側近が内紛
具体的には、金融に関する業務委託やある元衆議院議員が計画した「メディカルツーリズム」に関するコンサル業務委託、千葉西病院空調設備工事に関する疑惑、葬儀会社と暴力団との関係、関連会社のインターナショナル・ホスピタル・サービス(現在は二女のスターン美千代氏が代表取締役)の不正出金疑惑、二男・徳田毅氏の衆議院選挙初当選のときの金銭不正流用疑惑など数項目について不正を指摘している。
だが、東洋経済が入手した能宗氏の「聴聞通知書に対する回答」では、すべての疑惑について弁明、自身の潔白を記述している。それだけでなく、たとえば徳田ファミリーの給与が多額に及んでいることにも言及。公になっているものでは、アスカ監査法人より11年7月12日付監査報告書において「内部統制上の問題がすでに指摘されている。(株)徳洲会の情報収集の対価として、秀子夫人、三女の真理氏、二男で衆議院議員の徳田毅氏の美加夫人、五女の真紀子氏、二女のスターン美千代氏が代表を務めるGPホールディングスなどに、合計で年間1億0200万円も支出している。
また、徳洲会病院に医薬品を中心とした医療用品を販売する(株)徳洲会社長で、長女の徳美氏は月600万円、取締役の夫は300万円、夫婦ふたりで年1億0800万円もの役員報酬を得ていた(その後いずれも減額、および解消されていると思われる)。
選挙応援に数百人の職員を投入
そのほか、元側近や関係者によると、ファミリーによるマンション売買に関する疑惑、二男で衆議院議員の毅氏に対するグループ企業からの資金提供、さらには自由連合(2010年8月に政党要件を満たさない状態となったため解散)の清算にあたって、徳州会グループから98億円に上る借入金の処理、病院建設に伴うキックバック、政治家への不正献金など、徳州会や徳田ファミリーに関する不正があったとしている。また、選挙応援のため、グループから数百人という職員がかり出されていたようだ。
こうしたさまざまな疑惑については、真相が明らかにされるべきである。これに対して、徳田ファミリーや、医療法人徳洲会側にもコメントを求めたが、現時点では回答を得ていない。