「どさん子ラーメン」ホッコクの乱脈経営、不正会計に内紛も勃発
※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
「どさん子」などラーメンチェーンを展開するホッコクが、上場廃止の瀬戸際に立っている。
同社は2期連続の最終赤字を計上しただけでなく、2011年3月期の内部統制報告書について監査法人が意見を表明していない。それらを理由に設立された第三者委員会による中間報告書では、A元社長の在任中(08年4月~10年12月)に架空売り上げの計上があったことを指摘され、過年度決算の修正を余儀なくされた。A元社長は、実質的に経営するコンサル会社を通じて銀行から不正融資を引き出したとして、11年12月に東京地裁で実刑判決が下っている。
乱脈経営のきっかけは、07年にホッコクの創業一族が事業領域の拡大を狙い、不動産開発会社の都市綜研インベストバンクに保有株を売却したことにある。都市綜研は当時、約3割を握る筆頭株主に浮上。A氏は同社の出身だ。
ホッコク社長就任後は、食品卸、食品メーカーなどを相次ぎ買収し、ベーカリーカフェなど新事業を立ち上げ、多角化を目指した。しかし、現在はほとんど残っていない。
決算の修正作業により、ホッコクは第3四半期報告書を期限の2月14日までに提出できず、大阪証券取引所の監理銘柄に指定されている。3月14日までに提出できなければ、上場廃止だ。
ただでさえ崖っ縁の中、ここへ来て内紛が持ち上がっている。