徳洲会、日本最大の医療グループに走る激震

二男の政務官辞任に続き、徳田虎雄ファミリーと側近が内紛

難病に伏した徳田虎雄氏が著した「生命だけは平等だ。」(PHP研究所、2007年刊)。写真を中心に、元気だった頃の活躍や語録などが収録されている

神奈川県鎌倉市にある湘南鎌倉総合病院の最上階。全身の筋肉が失われていく難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の治療を続けている人物がいる。全国で67病院のほか、診療所、老人保健施設、介護事業所などを展開する日本最大の医療法人グループ徳洲会の創始者で、元自由連合代表、元衆議院議員の徳田虎雄氏である。同氏は現在も医療法人徳洲会や特定医療法人沖縄徳洲会、社会医療法人社団木下会などの理事長を務めている。

しかし、寝るとき以外は、ほとんど側近の秘書、看護師らに身体中をマッサージさせている。体は動かせない。耳は聞こえるが、言葉は発せない。目だけは動く。会話は介護する秘書が文字盤を使うことで行われているという。かつてはグループの総帥としてそのワンマンぶりをみせていた面影はもうない。

虎雄氏側近に解雇通告

その虎雄氏が手塩にかけて作り上げてきた徳洲会グループに激震が走っている。過去33年にわたって、虎雄氏の側近を務めてきた、医療法人徳洲会の元専務理事兼事務総長の能宗克行氏が、グループをとりまとめている一般社団法人徳洲会の専務理事職について、懲罰委員会から懲戒解雇処分を宣告されたのである。

処分理由が書かれた1月21日付の「聴聞通知書」が能宗氏の元へ届き、これに対して能宗氏は29日に全83ページにおよぶ「聴聞通知書に関する回答」を懲罰委員会に提出。東洋経済はその回答書を入手した(=右写真=)。そこには能宗氏への処分に対する反論だけでなく、創始者ファミリーをはじめとする徳洲会グループの実態が赤裸々に書かれている。ファミリーには、女性問題により2月4日付で国交政務官を辞任した衆議院議員で二男の徳田毅氏も含まれる。

グループの内紛は今に始まったことではない。かつては、虎雄氏がワンマンで全体を取り仕切っていたが、2002年に難病ALSを発症。翌年の総選挙では辛くも再選されたが、その後は病状が次第に悪化していった。その頃から、徳田ファミリーの中でも妻の秀子夫人、長女の越沢徳美・(株)徳洲会社長、二女のスターン美千代・GPホールディングス社長ら、特に女性ファミリーとその関係者が中心になって、徐々にグループへの関与を強め、能宗氏などグループ幹部との対立が深まっていったようだ。

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