本田、内田、宇佐美に共通する仕事場の習慣 「自己主張が強い」だけでは一流になれない

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本田が語る人間観察のメリット

では、人間観察にはどんなメリットがあるのか? 本田はこう説明する。

「自分は相手によって、コミュニケーションの取り方を変えている。そのためには、相手にこう言ったらどうなるのか、っていうことが全部わかっていないと。だから普段の生活から見ている」

本田や宇佐美は自己主張が強く、「周りが自分に合わせるべき」と考えているタイプの選手だ。だが、ただ自分の要求を突きつけているだけでは、周りが合わせてくれるはずがない。

宇佐美はまだ人間観察を生かし切れていない部分があるが、本田は相手を理解し、要求の仕方を変えることによって、自分のイメージを浸透させることに成功している。

内田はそれほど自己主張が強くないように見えるが、実は周りに合わせるのではなく、さりげなく周りに合わさせているタイプなのかもしれない。

一方、日本代表で自分のスタイルを表現し切れていない選手は、自分のことばかりに意識が行きすぎている可能性がある。人間観察を習慣にして、周りを理解すれば、もっとやりたいことができるようになるかもしれない。

人間観察、およびそれを生かしたコミュニケーションは、自分のイメージを仕事場で実現するための基礎整備である。

木崎 伸也 スポーツライター

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きざき しんや / Shinya Kizaki

1975年東京都生まれ。中央大学大学院理工学研究科物理学専攻修士課程修了。2002年夏にオランダに移住し、翌年からドイツを拠点に活動。高原直泰や稲本潤一などの日本人選手を中心に、欧州サッカーを取材した。2009年2月に日本に帰国し、『Number』『週刊東洋経済』『週刊サッカーダイジェスト』『サッカー批評』『フットボールサミット』などに寄稿。おもな著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『クライフ哲学ノススメ 試合の流れを読む14の鉄則』(サッカー小僧新書)など。

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