グーグルOB起業家の華麗なるエグジット 新世代リーダー 福山誠、上村康太

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11年10月、「ソーシャルランチ」が正式にスタートすると、その反響は旋風を巻き起こす程だった。1か月で3000ユーザー数を獲得。100媒体以上のメディアに取り上げられ、1年たった12年11月にはユーザー数が6万人に達した。

サービス面でもメニューの拡充に励んだ。いろいろなオフィスにお昼を食べに行くことができ、その会社に興味を持ったユーザーは採用申し込みが出来る『Biz-Lunch』、著名人とのランチをセッティングする『PREMIUM LUNCH』などを新たに加えた。

冷や汗をかいたときもあった

今後も、飲料品メーカーや飲食店とのタイアップ企画など、「ランチを通して人々の人生を豊かにする」(上村氏)準備は、できているという。2人の役割分担も完璧だ。福山氏は開発に集中し、文系の上村氏は経営企画、財務まわり、広報・宣伝と「開発以外」の全部を受け持つ。お互いの専門性が違うから、もめることもない。

とはいえ、苦労がまるでなかったわけではない。会社員時代の貯金を取り崩して設立資金や運営資金に充てていたため、預金が底をついてきたときは冷や汗ものだったと言う。

だが、そんな時期も過ぎて、今はもう収益が出る構造になっている。そして、ここへきて、冒頭で書いた通りの、「株式売却」である。売却先は、福山氏が学生時代アルバイトしていたDeNAの先輩が立ち上げた「Donuts」社だ。譲渡金額は公表していないが、株式売却によるキャッシュインに成功したと言えるだろう。

ただし、株式を売却したからといって、2人がソーシャルランチの事業から離れるわけではない。福山氏は引き続きシンクランチからの社員と共にソーシャルランチの開発、運営に携わり、上村氏はDonutsの経営企画業務に携わるという。

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