グーグルOB起業家の華麗なるエグジット 新世代リーダー 福山誠、上村康太

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しかし、2人で一から作り上げてきた事業をなぜアッサリ売却したのか?

「ソーシャルランチをさらに普及させていくためには、まだまだ時間とおカネもかかります。Donutsには、その資金と未来を作っていくための体制や知恵がある。もともと僕らに、えげつない独占欲はないし、僕らが執着するのは、社長なんて地位ではなく、面白いサービスですからね」(上村氏)。

それに福山氏は、起業当時から妻と「2年以内に結果を出す」と約束していた。その“結果”が、今回のエグジットでもあったというわけだ。

「社長になりたいとか思ったことは一度もない。サービスがどこまでいくか見てみたい」――。両氏は繰り返し語ったこの言葉どおりのキャリアを歩んでいるともいえる。今後は、シニア向けのアプリやネットサービスの立ち上げにも興味があると2人は語る。

2人に今後のキャリア戦略を聞くと、「先が読めないネットの世界で、考えるだけ無駄」(上村氏)との答えが返ってきた。

かつて、「夢を手帳に書けば実現する」とか、「夢に日付を」と言っていたベンチャー社長がいたが、彼らと比べて「スタートアッパー」はとことん冷静で現実的だ。こんなところもまた、「新世代リーダー」的なのかもしれない。

(撮影:梅谷秀司)

佐藤 留美 ライター
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