子どもに「お金の話」をするなら手紙が一番だ 米国で広がるマネーレターの意義
オリバーは言う。成熟した大人は手紙を書く以前に、お金についての問題から感情を抜き去る必要があるという。「家庭における予算やお金の状況を、子どもたちに素直に話すべきだ」。
ジョージ・ボンフォークは、2人の息子が大学入学のために家を離れるときに、アドバイスを書いたマネーレターをそれぞれに渡した。その中には、次の言葉があった。「セックスとの組み合わせで、何よりもトラブルのもとになるのはお金だ。両方とも、適切に扱えば素晴らしいものだ」。
これに関連してボンフォークは、同僚の医師が何年も前に言った言葉を、指針とするよう伝えた。それは「配偶者は1人、家は1軒」というものだ。「私の友人の何人もが、海岸や湖に別荘を持ったり、飛行機を所有したりしていた。離婚も一度か二度経験した。その結果、倒れるまで働かなければならなくなった」。
お金とセックスの共通点
ボンフォークは元神経外科医で、ノースカロライナ州シャーロットに住む。彼は50歳の誕生日に、医師の仕事から引退した。
セックスとお金に共通するものを一つ挙げるならば、両方ともある程度のリスクを伴う傾向がある、ということだ。
ニューヨークのブルックリンに住むグレッグ・バーマンは、数年前2人の娘に宛てた手紙で「投資には常にリスクが伴う」と書いた。「基本的には、投資はある種のギャンブルだ。しかし、資産を増やす方法は、汗水たらして働く以外には投資しかない」。娘たちは現在17歳と13歳だ。
バーマンの一家は不動産投資のリスクを取り、成功してきた。彼の親戚はワシントン郊外のデベロッパーだったし、バーマン夫妻はまずマンハッタンのアパートに投資し、続いてブルックリンの一戸建てに投資した。