子どもに「お金の話」をするなら手紙が一番だ

米国で広がるマネーレターの意義

夫妻は株式にも投資してきた。しかし、個別の銘柄ではなく、インデックスファンドを好んでいる。そのほうが、ギャンブル的な感じが少ないからだ。バーマンの長女であるハンナによると、父親は若いときにコミック出版のマーベルに投資し、その時のことをよく話すという。「父は、投資したお金をすぐに全部失った」とハンナは言う。

うらやましがることは問題だ。非営利団体を運営する49歳のバーマンは、この点についても明確だ。しかし、彼の考え方は、10代の子どもの親によく見られる「ものを欲しがることはある意味で悪いことだ」という考え方とは異なる。彼は手紙でこう書いた。「より多くを欲しがっても構わない。実際、そうした思いが、行動や発明や成功のきっかけとなる」。

なぜ、そのように表現したのか。彼が取材に応えて言うには、娘たちが見る映画や読む本はすべて、お金は重要ではないというメッセージを発しているからだ。「お金は悪の根源だ!結婚は愛のために!夢を追いかけなさい!」そう言われるのだ。

お金より大切なものは?

しかし、映画や本以外の文化は、まったく逆のメッセージを発信する。「私は、両方の見方の良い部分を認識できるような表現を探そうとした」。

これに関連して、バーマンは昇給交渉についても手紙で述べた。彼はそれまで、男性が積極的に昇給を交渉するのを見てきたが、女性がそうするのをほとんど見たことがなかった。そこで、彼はこう書いた。「昇給を求めても構わない。また、商品を買うときに値切っても構わない」。

59歳のロビン・ハバードは、働き始めてから早い段階で、父親の最高月収を追い越した。彼女はフォーチュン500種の企業で働いていたのだ。しかし、何度も体を壊し、夫が亡くなったこともあり、より少ないお金で暮らすようになった。

私の前回の記事を読んで、彼女は19歳の娘に次のように書き送った。「あなたが珍しい経験をたくさんして、ほかの人たちを笑顔にできるといいと思う。病気で苦しい経験をしてきた私がいま思うのは、素晴らしい会話や面白い経験さえできればいいということだ」。

(執筆:コラムニストRon Lieber、翻訳:東方雅美)

© 2016 New York Times News Service
 

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