日揮社長、「痛恨の極み」 アルジェリア人質事件の会見全容
――社長が見た事件現場の様子を聞かせてほしい。
川名社長 アルジェから飛行機で2時間以上かけてイナメナスの空港に行き、そこからさらに車で砂漠の中にある現場に入った。プラント施設と宿舎をつなぐ道路の近くには、黒焦げになったジープが横転していた。プラン施設内はまだ化学班が地雷調査中で、入れたのはゲートから数十メートルぐらいまでのところ。そこから遠めに施設内をのぞき込むと、装置の一部が黒く損傷していたのが見えた。
――どういう思いで遺体に向き合ったのか。
川名社長 最初に向き合ったのが・・・。どうか違ってほしいと願ったが、残念ながら・・・・・。つらくて、つらくて、本当に残念で。確認作業を手伝ってくれた生存者たちも、(亡くなった方の)名前を叫んで・・・・。
――亡くなった方の中に最高顧問の役職の方がいらっしゃるが、そのような役職の方がなぜ現場にいたのか。
川名社長 アルジェリア全体を含めて、責任を持っていただいていた方。定期的に現地の施設に出向いて、お客さんとディスカッションされていた。
生存者には「ありがとう」と言った
――生き残った方からのヒアリングでわかったことは。
川名社長 とっさの判断で車の下に潜って生き延びた人、部屋の中で1日じっと耐えて、現地スタッフに救出された人もいる。彼らには、(生き延びてくれて)ありがとう、と言った。「忍耐」「判断力」「運」、これらのどれか一つでも欠けていたら、生存は難しかったと思う。
――今後のヒアリング作業については。
三好執行役員 私どもとしても事件の全容をつかみたいが、このような大変な目にあった直後だけに、生存者の精神状態にもばらつきがある。今はまだ、自主的に話してくれた人たちから聞けた情報を断片的に集めている段階です。
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