日揮社長、「痛恨の極み」 アルジェリア人質事件の会見全容

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―――アルジェリア政府の対応によっては、もっと犠牲者が少なくてすんだ、という見方もあるが。

川名社長 アルジェリア政府軍がどのような形で応戦したのか、まだつかめていない。

「自分の目で確かめたかった」

―――なぜ社長自らが現地に行ったのか。

川名社長 事件発生からしばらく時間が経過しても情報が錯綜し続け、何が真実なのかわからなかった。自分の目で確かめたいと思った。また、アルジェリアのような国の場合、(救出や安否確認には)国のトップの方々の絶大な協力が必要になる。それをお願いするためにも、私が行くべきだと判断した。

―――遺体の確認はどのように行われたのか。

川名社長 イナメナスの病院には、いろいろな国籍の方々の遺体が集められていた。当初、見せてくれたのは日本人と思われる遺体のみで、5人の遺体が棺の中に横たわっていた。横にいる三好(執行役員)、生き残った仲間たちと一緒に、一人、一人、遺体を確認していった。あれだけつらい目にあったにもかかわらず、生き残った社員たちはみずから遺体の確認作業にあたってくれた。

日揮の三好博之執行役員

――これからアフリカなどで働く従業員の安全対策にどう取り組むのか。

三好執行役員 今後、海外現場を中心に従業員が業務を遂行するうえで、いかに安全を確保するか。非常に重要な、大きな課題としてつきつけられている、と考えている。国によってセキュリティの仕組みは違う。アルジェリアを例にとると、私どもが業務を行っている現場は軍によって強固に守られ、その中で我々も含む外国の会社が安全に作業できることをアルジェリア政府が保証する仕組みになっている。そういう仕組みのもとで、これまで長きにわたり、アルジェリアで一人の犠牲者も出さずに仕事を遂行してきたが、今回のような事態になってしまった。

今回の事件を受け、現地でアルジェリア政府関係者、客先であるソナトラック社(アルジェの国営石油資源公社)に対し、外国人の安全確保のために必要となる一段のセキュリティ強化をお願いした。先方もご理解いただいたと思っている。その具体的な対策を見て、まだ不十分だと思えば、継続して強化、対策を強く求めていく。

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