歴代大統領では初!同性婚を語ったオバマ

日本では報じられないオバマ就任演説

政治がこのように同性婚やパートナーシップに注力する背景には、長年にわたる当事者の運動の成果が何よりもあります。また現在パートナーシップが認められているイギリスで、同性婚を保守政権の与党の党首が推進しようとする理由には、同性婚を支持することが政策が現代的であることの象徴であり、ただの人気取りにすぎないという批判もあります。

加えて、イギリスではあまりに同性愛者の人口が多いため、この層を無視すると選挙の票だけではなく、公務員、特に徴兵制がない国での国防軍などでの人的資源獲得に影響を与えるため、必要に迫られて積極的な支持に転換しただけとの見方もあります。

アジアでも後れを取る日本

欧米が先行する中で、アジアで近代化を牽引してきた日本が、明確に遅れている分野がこの問題です。日本より先に台湾では政治的な動きが加速しています。昨年12月には台湾法務省が同性婚が望ましいか、それともパートナーシップ法制定が望ましいか検討する協議会の中で、アジアではどのような制度が妥当かを論議し始めました。また従来より最大与党の党首は同性婚を支持しています。すでに台湾のLGBTパレードは同性婚をスローガンに掲げ、アジア最大規模のパレードを実現しています。

こうした動きは、日本の政治やビジネスにも影響を与え始めています。結婚した同性カップルが日本へ転勤する場合、同然転勤命令を受けた本人だけでなく、配偶者にもビザが必要となりますが、企業や政府機関での同性のパートナーの地位や待遇に、日本政府や企業が対応出来ていないようです。日本が国際的に政治、ビジネスで中心的な拠点でありたいのであれば、この問題は避けて通れません。次回は日本での動きに関して報告したいと思います。

私自身が今すぐに同性婚したいかは別として、ゲイである自分は、たとえば自分の愛するパートナーの最期に、ゲイであるため立ち会うことが出来ないかもしれないと考えると、ただただ悲しい気持ちになります。私は自分の知り合いに、「日本でも結婚という選択肢があったらいいな」とつぶやいたことがあります。その知人からは「日本ではまだ早いよ」とたしなめられました。

死に目に立ち会う権利に「早い」「遅い」があるのか、オバマ大統領が今回、「同性愛者である兄弟、姉妹が、他の者たち同様、法の下で平等に扱われるようになるまで、私たちの旅は終わらない」と演説するのを聞いて胸が熱くなりました。

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