失敗を重ねることで、「スタイル」が見つかる 元早稲田大学ラグビー部監督 中竹竜二氏に聞く(下)

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スタイルは簡単に見つかるものではありません。まず、自分をきちんと見つめることが大事です。強みと弱み。何が好きなのか。どういうパターンで自分はどのような本性が出るのか。あるいは逆に、「自分らしくない」とはどういうことなのか。

結局、たくさん失敗を重ねることでしかスタイルは見つかりません。自分のスタイルだなと思うことばっかりやっていてもスタイルは見つからず、自分には合ってないかもしれないと思うことでもやってみて、失敗を繰り返す中から自分のスタイルが見えてくることもあるのです。

私自身、スタイルを確立するまではいろんな失敗をしました。たとえば、いわゆる「リーダー」として上から目線で怒ったりもしましたが、私自身もしっくりこなかったし、相手もピンときていなかった。

そこで、怒るのは自分にとって苦手なことなのだと気づき、では怒る必要がないようにどうやって相手のモチベーションを上げ、失敗をしないように導くかを考えるようになったのです。

「差」と「異」の違いを理解する

これは経営学者の楠木健先生もおっしゃっていることですが、違いをちゃんと理解することが大事です。そのためには、「差」と「異」を明確に分けなくてはいけません。

多くの人は「差」で考えます。理想のリーダーシップがあって、ここに今の自分がいる。足りない能力を埋めるために何をすべきかと考えてしまうのです。

それに対して、「異」とはそもそも異なるという概念で、どっちの方がいいということはありません。「異」なるものを「差」だと勘違いして追いかけても、それはムダな努力になってしまいます。

理想のリーダーになるために足りない能力を頑張って伸ばそうとするのではなく、そもそも理想のリーダーと自分は異なるものなのだから、自分がこのスタイルでリーダーをやるんだということを決めて、ぶれないことが大事なのです。

もちろん、スキルについては努力して足りない部分を身に付けなくてはいけません。しかし、スタイルはまったく別物なのです。清宮監督と私はよく比較されますが、どっちが優れているということはないのです。まさに「異」ですね。どちらがどのようなスタイルを持っているのか、という違いでしかないのですから。

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