英国EU離脱の余波に「中国」がおびえる理由 反グローバル感情がマイナスに影響
しかし、西側における大混乱の長期化は、そのような始まったばかりの取り組みを飲み込んでしまいかねない。保護貿易主義的な感情は英国のみにとどまらない。
米国の有権者は、共和党候補指名が確実視されるドナルド・トランプ氏の孤立主義的な政策にはまりつつある。中国との貿易で大きな恩恵を受けてきたドイツでさえ、自国の産業用ロボット大手のクーカを、中国家電大手の美的集団に売却してもいいものか思い悩んでいる。
大衆の懸念を鎮めるのは難しい
一方、英EU離脱決定によって高まる金融市場のボラティリティが米ドルを押し上げ、人民元に新たな圧力を与えている。
ベネズエラからスリランカに至るまで、中国の指導者たちはエリート層との取引には長けているが、大衆の懸念を鎮めたり、急な政変に対処したりすることにはそれほどでもない。そうしたことも今では、先進諸国の市場において心配すべきリスクであろう。
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