ポスト・モンティ体制を巡るローマ人の物語 景気・経済観測(欧州)

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上院での勝利を確実にしたい民主党は、首相候補のベルサニ党首が、モンティ首相支持派を含む中道勢力との連立の可能性を排除しないと発言し、中道左派勢力とモンティ支持派の再結集が現実味を帯びてきた。

共産党出身のベルサニ党首は、党内の左派勢力に近いとされ、モンティ首相と比べて改革路線が後退するとの印象はぬぐえない。だが、主要な政策課題ではモンティ政権の改革路線を踏襲するとしており、セカンドベストの選択肢として、ひとまずは市場参加者に受け入れられよう。

イタリア人にも分からないイタリア政局

ベルルスコーニ前首相は北部同盟との連立に当たって、自身が首相候補とならない方針であることを明言した。市場参加者が改革後退の象徴と受け止めかねない同氏の再登板のリスクは遠退いた。ただ、これまでも発言を二転三転させてきた経緯があるため、今後も市場の動揺を誘うサプライズ発言が出てくる可能性も否定できない。

選挙結果の行方は依然として流動的だ。選挙戦略に長けた海千山千のベルルスコーニ前首相が猛追することや、人気コメディアンのグリロ氏が率いる五つ星運動が既存政党への批判票をさらに集めることも考えられる。モンティ首相の選挙戦への参戦で、中道勢力の票が割れる可能性もある。

昨年イタリアに出張に行った際、現地のエコノミストにイタリアの政治情勢について質問をしてみた。返ってきたのは、「イタリアの政治のことは、イタリア人の我々にも分からない」との答えだった。イタリアの政局動向からしばらく目が離せなさそうだ。

田中 理 第一生命経済研究所 首席エコノミスト

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たなか おさむ / Osamu Tanaka

慶応義塾大学卒。青山学院大学修士(経済学)、米バージニア大学修士(経済学・統計学)。日本総合研究所、日本経済研究センター、モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッター証券(現モルガン・スタンレーMUFG証券)にて日、米、欧の経済分析を担当。2009年11月から第一生命経済研究所にて主に欧州経済を担当。

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