ポスト・モンティ体制を巡るローマ人の物語 景気・経済観測(欧州)

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一方、上院では、ベルルスコーニ前首相が率いる自由の人民と、欧州連合に懐疑的な地域政党である北部同盟とが、連立を組む方針を明らかにしたことで、選挙戦の行方が不透明さを増している。上院議員は4名の終身議員のほかに、選挙で選ばれる315議席のうち6議席が在外投票などを通じて選出され、残りの315議席が17州の人口規模に応じて割り当てられた地域代表で構成される。

決戦の場は上院の地方代表

この地域代表の選出は、前述の多数派プレミアム付き比例代表制で行われ、各州で最多票を獲得した政党に54%の議席が割り当てられる。議席配分の多い地方州の中には、伝統的に右派勢力が強固な支持基盤を有するところも多く、民主党会派が下院同様に安定多数を確保できるかが不安視される。上下両院で支配政党が異なる“ねじれ現象”が生じれば、政権運営は行き詰まりかねない。

なかでも最多の49議席が割り当てられるロンバルディア州は、米大統領選の重要州に擬え、“イタリアのオハイオ州”と呼ばれ、下院選挙の結果を左右する重要な選挙区と位置付けられている。同州以外にも、ヴェネト、カンパーニャ、シチリアの各州でも、中道左派と中道右派勢力の支持が拮抗しており、どちらに多数派プレミアムが転がり込んでも不思議でない。

当初、続投に消極的だったモンティ首相が“キリスト教民主連合”や“イタリアのための未来と自由”など中道勢力の首相候補に名乗りを上げたのも、選挙戦での自身の勝利を目指したものではなく、自由の人民と北部同盟による連携の動きを察知し、上院での同勢力の躍進を防ぐ狙いがあったとも考えられる。

同時に民主党に対しては、支持母体である労働組合に配慮して左傾化することを牽制し、自身が礎を築いた改革路線の踏襲を求めるように圧力を掛けることに成功した。

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