新入社員はトートバッグを使ってはいけない 先輩も参考にしたいビジネスバッグ選定術
「親元を離れて、仕送りをせよ」という話ではない。取り引き先などに出向いたとき、バッグは机上ではなく、床に置くのが基本的な礼儀となる。新人ならばこの辺りのビジネスマナーは外したくない。となれば、このとき、自然と自立して置けるタイプじゃないと、ぺたりと床に横にさせることになる。見るからにだらしがないし、荷物の取り出しも不便だ。
「だから、まず自立するために、しっかりとマチ(奥行き)が長めにあるバッグを選ぶのが外せないポイントになります。買う前に売り場で、ハンドル(持ち手)を上にして、立たせて置いてみてください」(黒岩氏)
大切な荷物を入れるのにはトートバッグは不向き
さすがに「LLビーン」のキャンバス地のトートバッグや、「ディーン&デルーカ」みたいな英語が書かれたエコバッグで取引先に出向く人は少ないだろうが、最近は「ビジネストート」と呼ばれる革製でかっちりとした類のバッグが人気となっている。トートバッグは、ハンドルが長めにとってあるため、肩がけで簡単に荷物を持てるところも優れている。なので、トートタイプのバッグを選びたくなる気持ちはわかるが、ちょっと待ってほしい。
「トートタイプは、初めてのビジネスバッグとしては避けたほうが無難でしょう。なぜなら、トートは荷物を出し入れする間口にファスナーや留め具などがないタイプが多いからです。大切な書類を持ち運ぶことを考えると、これは減点ポイントになります。『そんなところにうちの契約書をラフに入れて……。この会社のコンプライアンス対応は大丈夫か?』といぶかしがれ、“減点”される可能性が大ですからね」(黒岩氏)
加えて、トートのハンドルを肩がけすると、スーツのジャケットを台無しにすることも見逃せない。
「バッグを肩がけするとジャケットの肩の部分や襟の仕立てが台無しになる。しわくちゃなスーツを自ら作ってしまうことになるわけです。そういう意味でもトートはなるべく避けたいところです」(黒岩氏)
というわけで、最初のバッグとして選ぶなら、ハンドルをしっかり手持ちするように作られて、ファスナーなどで間口が閉じられる「ブリーフケース」タイプが正解だろう。
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