絵本の女性はなぜエプロン姿で描かれるのか 幼い子どもに刷り込まれる「理想の母親像」
ただ、ある時にふと目にした女性像、そう絵本の中では往々にしてお母さんなのですが、それらの人物が必ずと言ってよいほどエプロン姿であることに気づきました。
エプロン姿で描かれる女性たち
7冊借りた中で、すでに4冊はそのようなお母さん姿です。著作権の関係で挿絵をご覧に入れられないのが残念ですが、『せんたくかあちゃん』『はじめてのおつかい』『どろんこハリー』『ちびくろさんぼ』など、たくさんの本でお母さんはエプロン姿で登場しています。
そこで、思い立って公立図書館で、その「えほんがすき」というガイドラインの本が集積しているコーナーに陣取り、女性がどんな風に描かれているのかを調べてみました。お子様方にお邪魔になるといけないので、平日昼間にこっそりと伺いました。
この「えほんがすき」シリーズは全部で106冊の指定があり、
2~3歳向き……22冊
4~6歳向き……42冊
昔話えほん……15冊
知識えほん……12冊
となっています。この中で、知識えほんという理科系の内容などを題材にした本と昔話えほんを除く79冊のうち、貸し出し中の本を除く40冊あまりについて中身を全ページ調べてみました。
すると、そのうち約半数近くにあたる18冊で、お母さんが登場し、そのうちの12冊はエプロン姿、残る絵本は赤ん坊をおぶっていたり、買い物かごを持っていたりで、いわゆる「家事育児アイコン」以外の中立な状態で描かれていたのは2冊のみでした。主人公がきつねさんの場合もねずみさんの場合も、丁寧にそのお母さん像にはエプロンがあしらわれていました。
他方でお父さんが家の仕事をしている姿が描かれていたのは、ペンキ塗りをするお父さんなど2名のみ。「家にいる大人」ということからすると、偏った姿ともいうこともできます。
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