浪費家の実母との関係、どうするべきか 結納金300万円を使い込んでしまった!

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このような人たちの大関格も考え合わせると、共通点が多いです。私の知る範囲では、その子供たちのほとんどがマナーが悪いか常識がずれているか、他者への警戒心が強いなど、かわいそうな育ち方をしていることがひとつ挙げられます。

いずれにせよ結果的には、母親の浪費癖は離婚か親子断絶に繋がっている場合が多いのです。あなたのようにそこまで親を支えた人はあまり知りませんが、今は母娘断絶状態という点で似ています。

しかしあなたが今悩んでおられるということは、あなたのほうでも断絶状態がすっきりした状態ではないということですね。母娘関係の断絶は、まだ手遅れではありません。

浪費癖の母親への恨みは消えない

先の“浪費癖が横綱格”の娘さんと今も時々話すことがありますが、母親への恨みは薄らぐことはありません。もう断絶して15年以上経つのに、昨日のことのように恨み、嫌っています。それは彼女の自由かもしれませんが、村八分でも葬儀などの2分の付き合いは残したというのに、彼女は父親の葬儀にさえ、出席を望んだ母親を拒否しました。

ここまでくると、その執念深さが、他の人間関係にも影響してくるようです。当初は娘さんに同情的だった人たちの間でさえ、そんな彼女の閉鎖的な態度は評判がよくありません。評判を気にして生きる必要はありませんが、まったく無視するのも、常識に外れることが出てくるものです。何よりも恨まれている人は吹っ切れて暮らしているのに、恨んだほうが執念深く恨み続けて生きるのは、どうみてもそれだけで負けています。

あなたはまだ、そこまでこじれてはいません。ひとえにあなたの努力と我慢と優しさの賜物で、私はとても感心しています。

お母様と会えばまた、ウソが混ざっていると疑っても同情させられたり、振り回されてしまう不安もまだあるでしょう。そこはせっかく高い授業料まで払ったのですから、お母様にはビタ1文、おカネのやり取りはしないという決意をすることです。

それにあなたにはしっかりした几帳面なお父様もついておられることですから、お父様同席で1度はオープンに再会してみるのも、頑なに会わないでいるより楽になれるのではないでしょうか。それが1年に1度になるか、それ以上か以下かは再会してから決めてよい問題です。

少なくとも今は、同じようにたかられず、かといって完全に断絶しない程度の中間点を探られることが、適切かと思います。世の中の多くの問題と同じで、親子関係、ひいてはたいていの人間関係は、1か0のデジタルな選択ではありません。中間のグレーの濃度を変えることで、適切な着地点を探れることが、多いものなのです。

ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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