医者に任せっきりの「二流患者」は損をする

最高の医療を受けるには「患者力」が必要だ

──まずは、この薬は何のための薬ですか、と聞くことからですね。

上野 直人(うえの なおと)/1964年生まれ。和歌山県立医科大学卒業。ピッツバーグ大学付属病院にて米国内科専門医取得。現在は腫瘍内科医として研究、臨床に携わ り、専門は乳がん、分子標的療法開発。チーム医療推進にも力を入れ、日本でも医療従事者と患者向けの教育活動を行う。著書に『最高の医療をうけるための患 者学』。

そう、とにかく質問です。何となく引っ掛かったら必ず聞くことを習慣にする。なぜこの病名か、なぜこの診断か、なぜこの検査をするのか、なぜこの薬か、なぜ効かなかったのか。Why(なぜ)をつねに問う。自分が直面している事実を理解するためです。専門用語の羅列でわからないなら、わからないとハッキリと言う。なぜ?を重ねることで、自分の理解も深まっていく。医者にとっては、質問が気づきのきっかけにもなります。見落としや別の可能性に気づいて、より多くの選択肢が提示できるかもしれない。

それから診察時には必ずメモ帳とペンの持参を。一言断って会話を録音するのもいいし、誰かに付き添ってもらって話の受け手を増やすのもいい。医者とのコミュニケーションは真剣勝負。一言も漏らさず聞くぞという意気込みでいきましょう。疑問は放置せず、その場でも次回でもよいので、必ず聞くようにしてください。

話を理解できたかどうか確認するのにいちばんいい方法は、自分が受けた説明を他人に話すこと。聞かされた側が要領を得ないようなら、自分がちゃんと理解できていないってこと。次回受診時に、医者相手に話して反応を見る。僕の場合は大抵僕のほうから聞きますね。どう、ちゃんと理解してる?ちょっと話してみて、と。これは必ずやります。

ネットで得た情報は医者と共有を

──病気の医学的な正式名を必ず聞くことも強調されていますね。

ネットで調べるとき、正式な病名で検索したほうが情報が精査されます。セカンドオピニオンを取る際にも意思疎通がスムーズになる。

それから、ネットで得た情報は医者と共有し、わからないところは医者に聞くようにしてください。僕の患者さんはネットで見たものをプリントアウトして持ってきますよ。僕もそれを歓迎していて、必ず情報共有しようと約束します。ネットで見つけたサプリメントや代替療法を試したいなら、その前に絶対見せてくださいと。プリントアウトを見ても判断がつかない場合は、自分でもサイトを見に行きます。そこまでするのが医療従事者の責任ですから。

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