「虫歯を治療しない」先に待つ怖すぎる事態 甘く見て放置すると文字どおり痛い目に

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
早めに歯医者へ行きましょう(写真:EKAKI / PIXTA)

あなたは虫歯になったことがありますか?

ごくごく軽度なら再石灰化という人間の治癒機能で修復したり、簡単な治療で済んだりしますが、進行して重度の虫歯になってしまうと歯の大部分を削って金属やセラミックなどで詰め物をしたり、最悪は歯を抜いたりなどという処置が必要になります。重度の虫歯は自然には治らないからです。

最悪の場合、虫歯が原因で死に至る

そもそも虫歯とはミュータンス菌という細胞がつくる酸によって、歯が溶かされてしまう病気です。もし、虫歯があることを自覚していても、痛みがなかったり、我慢していたら痛みが消えたりしたといって放置している人もいるかもしれません。虫歯の治療は痛いし、何度も歯医者に通わなければならず、面倒だからです。

筆者は歯科医師として歯や口周りの情報を「ムシバラボ」というサイトで発信していますが、そこで訴えていることのひとつが、虫歯を放置することの危険性です。「虫歯を放置したところで大きな病気になるわけでもないし、命に関わりがない」と考えている人も少なくないでしょう。虫歯を病気として受け止めておらず、痛みや不具合が出てから歯医者に駆け込む人が多いと筆者は印象を持っています。

ところが、虫歯を放置しすぎると大変なことになります。最悪は虫歯が原因で死に至ることがあるぐらいです。2014年にイタリアのシチリアで18歳の女性が敗血症のために死亡しました。その原因が虫歯だったのです。

虫歯は、放置し続けるとドンドン広がり歯を破壊します。その後、歯の根っこの先まで広がり、原因菌が顎の骨まで到達し、炎症を起こしてしまいます。その炎症の部分から、今度は原因菌が血管に入り込み、血液の流れに乗って体内を巡ります。最終的に、脳や心臓に到達してしまう場合もあります。

次ページ虫歯は体の中に入り込んでいく
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事