日本の原発はテロに対する防御が甘すぎる 「秘密主義」に日独の専門家が警鐘

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今年3月22日にベルギーで空港、地下鉄で相次いで自爆テロが起きた。犯人は原子力発電所の襲撃も検討していたという(写真:ロイター/アフロ)

フランスや米国などで多数の死傷者を出すテロが相次ぎ、原子力発電所も標的にされる可能性が高まっている。そうした中で6月14日、「原子力発電所とテロ――ドイツでは」と題した公開シンポジウムが東京都内で開催された。主催は原子力資料情報室および「もっかい事故調」(東京電力・福島第一原発事故に関する国会事故調査委員会メンバーにより構成)。研究会では原発の安全対策に詳しい3人の専門家が、日本やドイツ、米国における原発テロ対策の実際およびその問題点について語った。

登壇者は、ドイツの環境問題シンクタンク「エコ研究所」で原子力工学・施設安全部門に所属するクリストフ・ピストナー氏、原子力コンサルタント・佐藤暁氏(マスター・パワー・アソシエーツ副社長、元GE社員)、東芝の元原子力プラント設計技術者・後藤政志氏。

実は原発テロは各国で相次いでいる

日本での認知度は低いが、原発を狙ったテロや不正行為はこれまで世界中で数多く発生してきた。今年3月にベルギーで起きた爆弾テロ事件でも、実行犯が当初、原発を標的にしようとしていたと報じられている。過去50年の間にも、核燃料の盗難や原子力施設への侵入、コンピュータウイルスによる感染などが、西側先進国のみならずロシアやイランなどでも起きている。だが、テロ事件の詳細は秘密にされ、被害の実態についても明らかにされないことが多い。

今回、ドイツから来日したエコ研究所のクリストフ・ピストナー氏は、原発の規制基準やシステム分析に詳しく、ドイツ連邦政府の環境・自然保護・ 建設・原子炉安全省のもとにある原子炉安全委員会の委員も務めている。

原子力安全の専門家の立場からピストナー氏は、「原発が直面するテロのリスクとして、航空機を用いたテロや武装グループの侵入、サイバーテロなどさまざまな手段がある」と指摘。

そのうえでドイツでは、「航空機衝突に原発内の設備が持ちこたえられるように設計基準で定めたり、作業員の身元調査などさまざまな対策が講じられているが、対策には限界がある」と警鐘を鳴らした。

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