日本の原発はテロに対する防御が甘すぎる 「秘密主義」に日独の専門家が警鐘
テロに対する警備態勢も各国で大きな違いがある。
米国の事情に詳しい佐藤暁氏によれば、「米国では各原発に150人規模の武装した戦闘部隊が24時間態勢で配置されている。机上での訓練のほかに、レーザー光線を用いた仮想の敵チームによる攻撃に対処できるかどうかの物理的な戦闘訓練が3年に1回、抜き打ちで実施されている」。
また、薬物中毒やアルコール中毒の検査態勢も敷かれており、「1年間に延べ十数万人の検査をしている中で、約1000人ほどが陽性になっている」(佐藤氏)という。
これに対して日本では警備態勢は米国ほど強力ではない。社員や作業員の身元調査は実施されておらず、薬物検査についても導入の動きはない。
最適解を見出しにくいコンピュータ対策
最近では、サイバーテロも大きな脅威になっている。「原発の安全設備はインターネット接続されていないために、ネット経由での攻撃はしくにいとされるが、油断はできない」と佐藤氏は語る。2010年にはイランの核燃料濃縮施設や原子力発電所に「スタックスネット」と呼ばれるコンピュータウイルスが持ち込まれて制御系機器に被害が生じた事例がある。
ドイツでは、「原子炉の保護系システムはソフトウエアを用いてアップデイトする仕組みになっていない。こうした古い仕組みにより脆弱性をカバーしている」とピストナー氏は説明した。だが、古いやり方には利点がある反面、「セキュリティシステムを乗り越えて侵入された場合、なかなか見つかりにくいという問題もある」(ピストナー氏)。このようにコンピュータセキュリティ対策は最適解を見出しにくい。
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