ライフネット、仰天の「新人」活用法 出口社長「株主総会を新卒に仕切らせる」

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もちろん、いったん就業し、そこで培った専門性を生かしたい人は中途採用へ応募することができる。

30歳未満を「新卒」としたのには理由がある。NPOで働いたり、世界を放浪して回り道をたどりながら人生について考え、自分なりの決断をしてきた人たちの、その人らしい、個性的な経験や思考に期待しているので、30歳未満を「新卒」と定義している。

倍率は、8271倍!

――選考はどのような方法で行っていますか?

ライフネット生命の採用ホームページと就職情報サイトで広報を行っている。採用にかかわるあらゆる情報は採用ホームページで開示している。

13年卒採用では、11年12月1日から翌12年5月31日までエントリーを受け付け、8271人の応募があった。そして本エントリーでは、考えるプロセスそのものを問う「重い課題」を提出してもらった。応募受付期間は約1カ月で、この課題を提出したのは111人だった。

次は審査。111通の課題のすべてに目を通し、数字・ファクト・ロジックなどのアタマを使う力を審査した。この審査に合格したのは26人。

次のステップはグループディスカッション。6月の週末を利用し、2回に分けて行った。4~5人グループごとに担当社員が2人つき、思考力や自発性、チーム内でのコミュニケーション力などを総合的に見た。時間も丸一日かける。

このグループディスカッションを通過したのは5人だった。そして7月に部長・役員面接を行い、8月1日に1人の内定を出した。

「重い課題」について説明しよう。これはエントリーシートではなく論文だ。13年卒採用では2つの課題を出した。その1つを紹介しよう。

あなたは内閣総理大臣から突然呼び出しを受け、『インターネットの力を活用して、日本の少子化問題の解決に取り組む方法』について提案することになりました。
(1)日本における少子化の現状とその原因を明らかにしてください。
(2)そのうえで、あなたが解決すべき課題をあげてください。
(3)インターネットを使ってその課題を取り組むためのプランを立て、費用対効果とともに提案してください

というもの。決して書きやすい課題ではない。枚数に制限を設けず、思う存分に調べ、数字、データに基づき自分なりのロジックを立てて考えてもらうためにあえて「重い課題」にしている。

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