ツイッターで成り立つ町がスペインにあった 用事があれば役所にメッセージ

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スペイン、グラナダ県フーン市のロドリゲス・サラス市長(写真:Laura Leon/The New York Times)

ホセ・アントニオ・ロドリゲス・サラスの娘マルティーナが生まれたのは、今年4月のこと。いまどきの親らしく、ロドリゲス・サラスはソーシャルメディアにそのニュースを書き込むことにした。

ただし、自分のアカウントではなく、娘のために用意したツイッターアカウントを使って。第一声は「わたし、いま生まれました」だ。

実は、ロドリゲス・サラスは、スペイン南部のグラナダ県にある小さな町フーンの市長。5年ほど前から行政サービスにツイッターを取り入れて、いまや住民3500人の多くを世界でも指折りのヘビーユーザーに変身させた。

現在、フーン市民の半分以上がツイッターアカウントを持ち、役所に連絡を取るときの一番の手段として利用している。なんだか体調が悪ければ、ツイッターで病院に予約を入れる。不審な落とし物を見つけたら、ツイッターで警察に通報する、といった具合だ。

魅力は手軽さとスピード

伝統的な方法がなくなったわけではない。市役所に行けば、いまも所定の用紙に必要事項を書き込み、行政サービスを申請できる。だが、ツイッターを利用する住民が増えたおかげで、2011年以降、市の予算は毎年平均13%(約38万ドル)削減できた。

市職員と住民がほぼ毎日交流することで、一種のデジタル民主主義も確立されたと、ロドリゲス・サラスは言う。「誰もがいつでも誰にでも話しかけられる。私たちがツイッターを使うのは、そこに行けば話したい相手がいるからだ」。

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