”暴走老人”を止められるのは若いあなた
アジア外交をめぐる世代間ギャップ

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深センで遭遇した反日デモ

「お客さん、あなた、日本人?」

日本から香港に遊びにきた友人と一緒に深センに出掛け、タクシーに乗ったところ、携帯電話片手に巨大な声で話し続ける運転手が語りかけてきた。

「なんで、韓国人だけど」と答えると、「今そこで大規模なデモをやっている。日本人がいたら危ない目に遭うぞ」と言ってきた。

その後も後方座席で「へー、確か尖閣問題で怒ってるとは聞いてたけど、そんなんやってんねんな、ほんまに」と友人と日本語でのんきに話していたら、運転手さんの受話器から中国語で「その客は日本人だ。日本語を話してるじゃないか。確認してみろ」という大きな声が漏れてきた。

その真剣な語調に慌てて私は中国語に切り替えて話したのだが(日本からの友人は黙ってるだけ)、今年9月の“尖閣国有化”当時、深センの街中には異様な空気が充満していた。

その日、私たちはデモ隊に近づくことなく、観光地で開催されていた世界ビールフェスティバルで遊んで香港の家に帰った。

基本的に親日家の多い香港なのだが、この領土問題では香港でも大規模なデモが行われ、私がよく訪れる尖沙咀でも、島に上陸した活動家が帰ってきて大歓迎会かつ記者会見をしていた。

大規模なデモは台湾でも起きており、親日で有名な近隣諸国にも大炎上をもたらしてしまった(もはやすっかりヒールになってしまったが、李明博大統領も親日で有名だった。それを国内で批判されていたくらい)。前都知事および政府の“外交問題”への対応には、再考の余地があるのは間違いない。

木を見て森を見ない中国脅威ネタ

私も「東洋経済オンライン」でコラムを書かせてもらっている以上、できれば他のビジネスサイトよりも、人気のあるサイトにできるよう貢献したい。そう思って、各サイトで人気のある記事のパターンを分類してみた。すると、世相を反映するかのように、ワーキングプアネタ、グローバルリーダー教育ネタ、および、中国脅威論ネタが圧倒的に多かった。

しかし中国脅威論ネタを読んでみても、なんか細かい戦闘機の名前やら条約の名前やらがいっぱい出てきて、正直、「小さな葉っぱをたくさん見ているが大きな森を見れてない」気がした。私は軍事関係はまったく素人なので、ろくなことは書けないから、たまたま見ていた中国国内の軍事評論家たちの討論内容をかいつまんで紹介してみよう。

別に私自身の意見や分析は入っていないが、そこは中国国内の報道内容を訳して提供する点に付加価値がある、ということでご覧いただきたい。

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