”暴走老人”を止められるのは若いあなた
アジア外交をめぐる世代間ギャップ

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私は昨日、たまたま中国人、台湾人、ベトナム人の友人と私でシンガポールのマリーナベイエリアにある鼎泰豐(ディエンタイフォン)にて、それはそれはおいしい小龍包を食べていた。

1人はベトナム戦後の難民出身で貧しかったが、持ち前の頭脳でスタンフォードの博士課程を出て、今はシンガポールで働いている。中国の友人は中学まで北京で過ごした後アメリカで学び会計士になっている。台湾の友人は大富豪の娘で、大学と大学院はアメリカのアイビーリーグで過ごしたという人物だ。この出身地の組み合わせは面白く、ベトナムと中国、台湾と中国、韓国と中国というように、思えば中国がすべての相手と紛争を抱えている。

しかし時には国対国で緊張が高まりつつも、国境を越えて働くグローバルエリートの間に国同士の対立は影響しない。国民国家同士の分捕り合戦が、個人の利益に直結する時代はとっくに終わっている。出身地と国籍と居住地がバラバラなグローバル時代に突入する中、ナショナリスティックな人々が炎上したら、むしろそんなときこそ間を取り持つのがグローバルエリートの役割である。

「外に開かれた愛国心」を持とう

さまざまな国の人と日々働き、遊び、一緒にご飯を食べて友人関係ができると自然と相手国の自尊心も大切にするような配慮が身につく。そしてコミュニケーションの潤滑油として相手国の文化を学び、尊重している姿勢を見せようとお互いが努力するものなのだ。

「へー、ベトナム出身なんや。前フエいったけどほんま綺麗で、ダナンとかも美しいし何より誇り高い歴史に敬意を抱いてるねん。『(度重なる外敵の侵攻を退けた歴史から)ベトナムはカネや国力がなくて苦労したことはあっても、英雄がいなくて困ったことはない』というロンリープラネットの一文を読んで鳥肌立ったわ」

「上海出身なんや。大学の時、復旦大学に立ち寄ってペンフレンドを作ってからずっと文通してるわ。マンダリンてほんま、きれいな言語よね。南京路の饅頭と串焼き、最高!」

「台北出身なんや。新店よく行ったわ。台湾大学のキャンパスの近くのカフェってやたらとロマンチック違う? あと、しゃべり方ほんま穏やかで、ここ10年でアジア一、親切な人が多い都市になったよね」

私は旅行や仕事で多くの国に行ったが、いつも相手国のいいところを見つけてほめるようにしている。自分の国の文化をほめられることは、その相手のアイデンティティの深い部分を認めることになるので、パーソナルな信頼関係構築において非常に助けになるのだ。

これからの若い世代の皆さんは、国民国家で育ったメンタリティのお父さんやおじいちゃんを超えなければならない。自国の文化を学び誇りを持ちつつも、他国 の文化を尊重して信頼関係をつくる。そして日本として国際社会に貢献する姿を見せることで、日本が尊敬されるのを助けてほしい。そんな “外に開かれた愛国心”でもって世界の模範を目指し、昔の世代を凌駕してくれるものと期待しています。

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