三菱電機が防衛省へ、40年近くも過大請求 返納金など773億円支払いへ

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三菱電機はもともと事業部が強く、本社の関与が弱い。対象となった鎌倉製作所と通信機事業所は、防衛や衛星という事業の特殊性もあって他の事業部との人材交流が少なかった。「今後は全社のコンプライアンス部門を明確化し、本部コンプライアンス部も設置して再発防止に努める」(山西社長)という。

電子システム事業本部長は今年3月に更迭済みだが、経験者および顧問も解職するほか、山西社長は6カ月、その他役員は1カ月分の減給処分を発表した。

赤字受注が常態化していた両事業

ただ、今後の影響については、大きく悲観視する必要はなさそうだ。発覚した今年1月末の時点で、防衛省からは指名停止の通知を受けている。これは返納金を支払い後に解除される見通しで、来14年3月期からは平常化する。

悩ましいのは、今後の案件管理だろう。独自技術を多数抱えるにもかかわらず、赤字受注が常態化していた。「赤字受注を断ることは避けるが、話し合いは進めていく」(電子システム事業担当の笹川隆専務)としているものの、今後の交渉がどこまで進むか。

三菱電機の防衛関連の売上高は1600億円、宇宙関連は650億円の規模となっている。国との取引が中心ということもあり、大きな利益は出ていない。長年続いてきた悪しき慣習を断ち切り、健全な事業に戻すことが求められている。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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