Facebook新社屋、「日本人画家」起用の理由 テック企業とアートの密接な関係とは?
フェイスブックが進めるArtist in Residence Programは、「アートやアーティストの思想が、企業のカルチャーを変える」との信念のもと、アーティストをフェイスブックのオフィスに滞在させて、作品作りを社員に見える場所で行ってもらう取り組みだ。
同社の創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグ氏が、デビッド・チェ氏を招いて、自身の執務室の壁をキャンバスに、絵画を描いてもらったことがあった。アーティストのクリエーティブさを身近に置くことの価値を、ザッカーバーグ氏は身をもって体験した。これをより多くの社員に提供しようというのだ。
今回のテーマは「多様性」
2012年に開始されたこのプログラムは、キュレーター、ドリュー・ベネット氏が主導し、数々のアーティストがフェイスブックのオフィスを、優れたアイディアで彩ってきた。その第4シーズン、多様性が求められる中で、ミキ氏の名前が挙がることとなった。
2015年9月から2016年2月までのフェイスブックでの経験について、彼女は次のように振り返る。
「私たちアーティストのフェイスブック社内での役割は、まず、Analog Research Labにデスクをもらってのデザイン作業でした。非常にデジタルが進んでいる企業ですが、社内のコミュニケーションにはポスターが多用される文化があります。そのポスター制作を通じて、社員に対して、“会社自体がものづくりをしている、それを大切にしている”というメッセージを発信し続ける役割を担いました」
Analog Research Labは、フェイスブック社内にあるものづくりの拠点だ。社内で用いられる看板やポスターをデザインし、制作するワークショップとなっている。シルクスクリーンのポスターはもちろんのこと、木材やトタンのような素材を使った看板製作も一手に引き受けている。
ここで、手作りのアートをコミュニケーションに用いながら、SNSで過ごす時間をいかに有意義にするか、手触りのあるものにするか、というマインドセットを醸成していくという。
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