ゴールドマンエリートが、起業家を目指すまで ウォートン流、自分らしいリーダーシップの見つけ方

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この授業が、今後の人生の指針となったと語る浅原さん。ビジネススクールの2年間で、自分らしさを大切にし、自分の価値観を磨いていこうと心に決めたそうだ。

クラスメートの「経営者視点」 

「『僕の人生を変えた人』と言われて真っ先に思い浮かぶのが、クラスメートのデレック・クレイノー(30)です。ウォートンでデレックと出会わなかったら、在学中に何か新しいビジネスを始めたい、なんて、考えもしなかったでしょう」

浅原大輔(あさはら・だいすけ) 1979年神戸市生まれ。2002年京都大学卒業、04年同大学院情報学研究科修了。マーサージャパンを経て、06年7月よりゴールドマン・サックス証券投資銀行部門資本市場本部にて5年間勤務。同社退社後、11年ペンシルベニア大学ウォートンスクール経営学修士(MBA)課程入学。12年夏は米国西海岸、ニューヨークの投資ファンドにてサマーインターンを実施。SAJスキー1級、将棋初段。Twitter:@azzurri0606
(写真後方が親友のデレックさん)

浅原さんとデレックさんが出会ったのは、ウォートンに入学した直後のこと。学校が割り当てた6人の学習グループ(ラーニングチーム)で1年間、一緒に過ごしたのがきっかけだった。デレックさんは、生粋のアメリカ人だが、日本人の浅原さんとウマが合い、出会ってすぐ親友になったのだという。

デレックさんは、プリンストン大学在学中の20代前半にオンラインでカーナビゲーションを売るビジネスを起業。大学卒業時、大手投資銀行から内定をもらっていたが、自分のビジネスを続けることを選択した。

創業した会社を売上高2000万ドル(約16億円)までに成長させ、売却。「次はメジャーなマーケットでインパクトのある事業を始めたい」と起業やリーダーシップを学び直すために、ウォートンに入学したという。

浅原さんは、同じチームで宿題などをやりながら、デレックさんの「経営者の視点」に大きな影響を受ける。

「管理会計の授業では、原価や損益分岐点を求めるなど、計算させるような問題が多かったのですが、デレックは財務諸表を見て、『この会社はここが問題なんじゃないか、こういうふうに改善したらいいんじゃないか』と経営者として自分の意見を言うんです」

デレックさんのリーダーとしての人格に強い感銘を受けたのは、12年3月、日本への研修旅行で、一緒に広島の原爆ドームを訪れたときだ。

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