お勧めは矢印を記録する「簡易投資法」
精度をアップさせるには、直近6回分の四季報の矢印を時系列に並べます。この組み合わせで、その後6カ月間の株価騰落を予想します。
このコラムでは、バックナンバーを保有していない方も、図書館などで容易に矢印の向きを入手できるように、過去4回分を使うことで平易にできる「簡易上昇判定法」を紹介します。
今後の業績のV字回復が「催促」されている会社の多くが、〈下、横、横、下〉の矢印の向きとなっています。次の矢印次第で、株価の命運が決定します。時系列で言えば、一番右の矢印が過去4号の中ではいちばん新しく、左へ前号、前々号とさかのぼります。
この矢印の組み合わせは、株価は下降トレンド中、あるいは底値固め中の可能性が高くなっています。そこで、現在発売中の最新号(12月14日発売)の四季報の矢印が重要になるのです。
矢印は上2本(↑↑)、上1本(↑)、横(→)、下1本(↓)2本の5種類あります。そこで5つに分けて、その後の株価動向を予想します。
(1) 上2本(↑↑)
この形状なら、期待大です。V字回復の可能性が高く、会社側の公表している決算短信などを丹念に調べたくなります。株価が「底練り圏」なら、「打診買い」を複数回実行しておきたい組み合わせです。出来高が急増していないなら、上昇可能性は格段に向上します。上昇必至といえます。
(2) 上1本(↑)
この形状の場合、マーケットの評価の集大成である株価の動向を、日足単位で注視しなければなりません。つまり、チャート分析優先です。株価が下降トレンドを終了していなければ、買いは控えます。反転には、インパクトのある好材料が不可欠です。単なるきっかけでは、大きな反転が期待できません。最新号では結果が出ない可能性もあり、次号の四季報の矢印こそ大注目となります。
(3) 横(→)
この形状ならようやく株価が下げ止まる兆候です。万一、下落が続くなら、何らかの要因で事前の期待が高く、がっかりとなったケースです。直近の株価に動意付いた形跡がなければ、今後も横ばいトレンドになります。仕込みしても待ちの状態が長期になりますので、資金の投資効率の観点からは、積極的な買い姿勢をとれません。
(4) 下1本(↓)
やや心配な形状です。見送りが一番で、打診買いも避けるべきです。保有銘柄にこの形状が見られれば、売却を検討すべきでしょう。
(5) 下2本(↓↓)
かなり心配な形状。出来高の激増・急増を見逃さないでください。出来高が急増、かつ、大きく下落して、その後、株価が落ち着いているならセイリングクライマックスが過ぎ去ったあとかも知れません。
このように、矢印は時系列で追いかけることこそが、株式投資で利益を着実に積み上げるコツです。今回の四季報でも意外な会社が(1)や(2)の形状になっていて、妙味があります。
「会社四季報」を活用すれば、上昇銘柄を追いかける投資姿勢の参考になるのはもちろん、業績悪化から株価下落・低迷中の、実は低力のある会社を発掘できます。
低位割安成長企業の発掘には、矢印が欠かせません。株価下落が織り込み中なのか、完了済みなのかを株価と矢印から察知して下さい。「買われ過ぎ銘柄の高値づかみ」というリスクと、「売られ過ぎ銘柄の買いもれ」というチャンス見逃しを避けることができます。
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