今回は、前回に引き続き、『会社四季報』の徹底活用法です。「大化け出世」の可能性が高い銘柄を、「秒速」で察知する方法を紹介します。前回と合わせて、「銘柄発掘力」をブラッシュアップしてください。
前回に比べ、今回は、ちょっと作業の手間がかかりますが、その分、成果がたっぷりと期待できる方法です。
四季報の銘柄欄の矢印マークに注目
四季報の銘柄名の隣の「矢印」に注目するのです。この方法は、株式投資歴70年超であった祖父から聞いた方法に、少し私が工夫して、10年近く前から紹介しているものです。
まずは、現在発売されている四季報(2012年秋号)を基準に、バックナンバーをチェックして保有中の銘柄あるいは意中の候補銘柄などについて矢印を記録してはいかがでしょうか。売買のタイミングの失敗を防ぐ重要な物差しになるでしょう。
上表は、拓殖大学の坂田ゼミナール「四季報研究チーム」(池田千恵里、田島咲季、押田拓)にも手伝ってもらい、主な電機会社10社の矢印を一覧にしたものです。過去5号となっています。業績不振に陥っている会社は、下向きの2つ矢印が目立っています。
特にシャープの場合は、12年春号で2段階下の矢印で、翌夏号は「前号並み」の矢印となり、さらに次の12年秋号では2段階下の矢印になっています。春号ですでに、業績悪化の予想が出ていたので、株価は、織り込みを急いだはずです。
今の時期ならば、新しい四季報(13年新春号、12月14日発売予定)まで、残りほぼ1週間)、秋号の矢印はすでに大半が織り込まれた可能性が高いはずです。
ここで、大切なのは、織り込まれた度合いを知ることです。
「織り込み済み」の場合は、その度合いを確認することが不可欠です。上向き、下向きの矢印は織り込みが速いことを覚えておいてください。大化け出世株の察知なら、「上向き2段階矢印」(↑↑)が、ついていた会社を候補にしておくと、株価に織り込まれていないこともあるため、妙味があります。
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