業績悪化が「織り込み済み」の銘柄を狙え 四季報で急騰銘柄を見つける法

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12月14日に「会社四季報」2013年新春号が発売されました。このコラムでは第1回(11月21日公開)、第2回(12月5日公開)では、四季報の会社名の横についている「矢印」、いわゆる「四季報予想変化」を取り上げました。

この矢印の向きに注目すると、「業績好転・悪化を察知するのに役立つ」、「上昇株を発見できる」というのは、実は、株式投資家の間ではよく知られた活用法です。しかし、この矢印を十分に活用している投資家は、四季報の往年のファンでも多くはないようです。

そこで、今回のコラムでは、矢印の存在そのものを知っていても、上手に活用できていない方「必見」の内容です。「四季報を毎号購入して、丹念に読んでいるのに思うような成果があがっていない」という投資家の方がいらっしゃいましたら、ぜひ、投資力の向上に役立てて下さい。

四季報発売直後のマーケットとは

ところで、前回12月5日公開の本コラム第2回では、矢印の活用例として具体的な銘柄を取り上げました。その銘柄は、ネクスト(コード番号2120、東証1部、サービス業)でした。第2回のコラムでは、その日から「9日後」の14日に発売される最新号の同社の四季報予想変化の矢印に注目していました。

14日に四季報が発売されましたので、熱心な四季報読者の皆さんは、すでにご存じと思いますが、四季報新春号のネクストの矢印は、<↑↑>(前号からの営業利益の修正率が30%以上)でした。相場巧者は、すでに予測していたようで、11月中旬から株価が動意していました。

ですから、ひとまず同社の株価は、この好業績予想の「織り込み消化」を加速するはずです。やはり、この「矢印2本上向き」は、今後の株価に弾みが付きそうな、注目すべき記号ですね。

まず四季報発売日から1週間程度のあいだにやっていただきたいのは、上昇期待銘柄の筆頭である「矢印2本上向き」をチェックすることです。出来高や値動きなどから、織り込み度合いを分析する作業に追われつつ、迅速な勝ち組投資家達は繁忙を極めます。その後、発売から1カ月程度経過すると、大半の投資家が全体相場を見ながら、銘柄選別を始めます。

矢印の向きが、すでに株価に織り込まれているか(消化済み)、あるいは、未消化なのかの見定め時期に突入していきます。

つまり、四季報最新号発売直後の現在は、少数の勝ち組投資家は、チェックから仕込みの時期。一方、多数の投資家は、全体相場の様子見時期です。勝ち組投資家の方が一歩早い行動となっています。そして、利益を確定して、次のチャンスに備えてこそ、勝ち逃げ投資家になれるのです。

拓殖大学坂田ゼミナール四季報研究チーム・予想変化追跡班(担当:鈴木優奈、水落絵里子)が行った直近10年間の調査によれば、「矢印の向きと株価推移」には、相関関係があることがわかっています。

6カ月程度の中期投資で見れば、上昇的中度はおよそ70%超、下落的中度は、およそ85%となっています(ただし、前提となる条件がありますが、字数の制約上、詳細は省略します)。株価の上昇、横ばい、下落パターンを20パターンに分類できますが、今回は、そのうち上昇パターンの一部を紹介します。

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