安倍政権誕生で不動産市場はどうなる? 大半の物件は下落圧力が高まるだけ

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不動産は、高度成長時には資産形成の有力な手段として活用されてきました。再び経済成長が起こるなら、かつたとえば移民受け入れなど需要を即座に増やすことができるのなら、再び市場全体が上昇基調に乗るでしょう。

しかしこのような可能性は、現在打ち出されている政策からは可能性が低いものと思われます。民主主義が成熟していない現在の我が国で、財政政策や金融政策に過度に踏み切ると、民意を汲み取る政治は結果として歯止めの効かない暴走をはじめる可能性もあります。

私たちはこのような事態を決して招来してはならないわけですが、冷徹にそうしたシナリオを予測するなら、多数の不動産に可能性があるということもできます。多くの国民がそうした行動に出た場合、それは自己実現的に達成されるでしょう。

公約を守れるかどうかが分水嶺か

ところで、ここで冷静にここ最近の政治を振り返ってみますと、小選挙区制度導入の影響もあり小泉政権で自民党の圧勝、次は民主党が圧勝、今回は第3極の台頭があったものの自民党が圧勝というように、民意は大きく振れ、どの政権も満足に公約を実現できないどころか、公約にないことをやりだすといった状況です。

はたして今回はどうなるでしょうか。

「途中で投げ出さず初志貫徹」ということになれば、需要の先食いを行いながらも一部の不動産価格上昇、それ以外は下落、行き過ぎて歯止めが効かなくなれば多くの不動産が相対的に上昇するでしょう。

「何らかの理由で物価目標が設定できない、目標がうまく効かない」ということになれば、やはり不動産価格下落。失望が大きければさらに下落、といったところでしょうか。(談)

(撮影:梅谷 秀司)

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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