官僚が握る「安倍新政権」の命運

山崎元が読む「総選挙後」のマーケット

金融政策の好き嫌いと相場の予測は別にしよう

安倍氏が、公務員制度改革に挑んで果たせなかった前回政権時の失敗を教訓に、強力な財務相を任命するなど、「政治主導」を強力に推進するなら話は変わる可能性があるが、彼にそれだけの能力があるなら、そもそも前の安倍政権は、あんなに簡単に潰れなかっただろう。

自民党大勝を受けて株式市場や為替市場が、それぞれ株高・円安に大きく反応したとしても、大手メディアが金融緩和政策の足を執拗に引っ張るなら、投資家は、半身に構えて、こまめに利食いするほうがいいだろう。

なお、インフレ目標を「2%」以上に掲げることは、ほぼゼロ金利の期待継続期間を長期化させる効果があるし、日銀によるリスク資産の買い増しやベースマネーの買い増しにもアナウンスメント効果があるが、確実にデフレから脱却するためには、拡張的な財政政策の併用が必要だ。

安倍政権が「国土強靱化」に支出しようとしていることと(注;筆者は、負の所得税や法人税減税のような「公平なバラマキ」のほうがいいと思うが)、消費税率を引き上げたい財務省が来年(特に4~6月期)のGDPを持ち上げたいと思っていることから、財政は、政権交代後しばらく拡張的になる可能性が大きい。

政策に賛成であろうと反対であろうと、相場を見るうえでは、「金融緩和政策が案外進む」可能性を軽視しないほうがいい。好き嫌いと、相場の予測、ひいてはポジションの取り方は分けて考えるべきだ。

ただし、消費税率を引き上げて増税した場合に、景気も株価もデフレ脱却もすべてが頓挫する可能性があるし、日銀が財務省の勢力下に入った場合(次期日銀総裁は武藤敏郎氏だろうか)、安倍政権の「大胆な金融緩和」が期待外れの短命に終わる可能性を考えておかなければならない。
 もっとも、このあたりの心配は、もう少し先でいい。 

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