「不倫ドラマ」がそろった理由と女優の覚悟 男を刺激し、女もハマるキスシーンとは?
ほとんどの女優は、ふだんから美容や体形維持に努め、実際にオファーが来たときには、そのレベルをもう一段階上げて、「作品用の美しい身体に仕上げる」と聞きます。ふだんの努力を生かすためにも、美しい身体を披露するためにも、キスシーンやベッドシーンは彼女たちにとって存在価値を誇示する場でもあるのでしょう。
不倫報道の影響はあるのか?
最後にふれておきたいのは、『週刊文春』をはじめとする週刊誌ゴシップの影響ついて。ベッキーさん、宮崎謙介元議員、乙武洋匡さん、石井竜也さん、桂文枝さん、とにかく明るい安村さんらの報道はインパクトが大きく、「不倫」が2016年のキーワードとなっているのは間違いありません。
しかし、ドラマ界において、この影響はわずかといっていいでしょう。もともと連ドラの放送枠は、4~6月の春、7~9月の夏、10~12月の秋、1~3月の冬と、各季節の3か月間をひと区切りにして、年間4作品が制作されています。
その中には、刑事モノや医療モノのような一年中放送されているジャンルに加えて、春や秋に合う恋愛モノ、夏に合う学園モノ、冬に合うミステリーやサスペンスなど、季節を踏まえて制作されるものがあります。
キャストやスタッフへのオファーも含めて、長いスパンを見据えてスケジュールを組んでいるため、「今年、不倫が世間をにぎわしているからといって、すぐにドラマ化するのは難しい」のは明白。できるとしたら、脚本や演出の一部に遊び心として採り入れる程度でしょう。
最初に書いたように、不倫を扱ったドラマは歴史が長く、「ニーズのあるカテゴリ」として定着しているのは間違いありません。それはもちろん「フィクションだからこそ」であり、視聴者の「ファンタジーの世界だから」という安心感がベースになっています。
各局とも、単に性的刺激を狙ったものではなく、胸キュンのキスシーンや美しいベッドシーンを増やし、ヒロインの切ないモノローグを交えて共感を誘うなど、女性視聴者の支持を高める策に抜かりはありません。また、読み応えのあるコラムがそろい、硬派な読者も多い『東洋経済オンライン』ですら、不倫がテーマのコラムが人気ランキングに入るくらいですから、男性ニーズも間違いなくあるはずです。
視聴者が「ドラマである以上、現実の不倫を助長するものではない」という常識的な見方ができる限り、今後も不倫ドラマは誕生し続けるでしょう。
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