ディズニーパークの心くばりはここまで凄い どの職場にも通じるコミュニケーションの妙

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代わりに身体機能が低下している方や視覚、聴覚に障がいをお持ちの方へのサポート、食事制限がある方への細かなメニュー対応など、すべてのゲストが安心してパークで過ごせるように全力を尽くしています。ハード面での工夫に加えて、バリアフリーを完成させているのは、人、つまりはキャストの力です。

キャストたちは、実際に車イスに乗ったり目隠しをしたりしながら研修を行っています。障がいをお持ちの方の気持ちに寄り添い、「心のバリア」も外したお手伝いができるよう、日々訓練しています。

「心のバリアフリー化」は、あらゆる対人関係において大切です。差別や人間関係の悩みというのは、環境により生まれるものではなく、結局のところ、人が心にバリアを張ることにより生まれます。

「心のバリアフリー化」が実現できれば、人間関係で悩むことがなくなります。手始めに、誰に対してでも自ら挨拶するという手があります。苦手な人から目をそらしたり、避けてしまったりするのではなく、「おはようございます」「おつかれさまです」などと相手の目をまっすぐ見て声をかけてみると、反応が変わってくるものです。

感動を生むのは「期待を超えた行動」だけ

ディズニーといえば、その高いホスピタリティが話題になることが多くあります。

東日本大震災の際、「頭を守るために」と店頭に並べられたぬいぐるみをゲストに配った対応や、雨の水たまりを利用して地面にキャラクターの絵を描くカストーディアルキャストなど、その機転を利かせた行動が、称賛を受けました。

これらは無論、マニュアル化された行動ではありません。各自のホスピタリティ精神により、自発的に行われたものです。

ひとつ、ディズニーのホスピタリティを感じた行動の実例を挙げましょう。私が商品開発部に所属していた頃、商品に関する「お客様相談室」宛てに、段ボール箱が送られてきました。

箱を開けると、そこにはディズニーの人気キャラクターの1つ、「ダンボ」のぬいぐるみが入っていました。取り出してみれば、表面には汚れや黄ばみが目立ち、目の一部は欠けた状態でした。そしてそのほかには、手紙が1通。小さな女の子からで「なまえは、はなちゃんといいます。なおしてほしいです」と拙い字で書かれていました。

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