時代に負けない、キャリアの”背骨”の作り方

普遍性の高い、自分らしさを見つけよう

(1)深く学ぶ

専門性を深掘りする職種として、企業の研究所などの基礎研究職がある。基礎研究の世界では研究テーマが細分化されており、それぞれの研究員がそれぞれの研究分野を担っている。そうした研究所には研究室長や研究部長といった管理職がいて、彼らは独自の研究分野も持っている。

ピラミッド型の組織であれば、大抵の場合、上司は部下よりその仕事に精通しているが、研究所はそうではない。では、この研究所の管理職は部下をマネジメントしたり、部下にアドバイスしたりできないのだろうか。実際には、できるのだ。

なぜできるのか。彼らは「勘でわかる。自分も研究者だから」と言う。専門性を深掘りすることと普遍性の高い能力を身に付けることは、一見矛盾することのように感じるかもしれないが、そうではない。

ある特定の分野を深掘りする過程で、考え方や仕事の「引き出し」を増やし、それを普遍性のある学びとすることで、ほかの分野でも類推を利かせることが可能なのだ。

筆者が過去に在籍した経営コンサルティング業界でもこのことはいえる。その業界のことであればクライアントのほうが絶対よく知っている。しかしなぜコンサルティングができるのかというと、ほかの業界のことを深く学び、たくさん引き出しをつくり、普遍的な学びをしているからだ。

(2)抽象化して本質を学ぶ

2つ目のヒントは、表面だけを学ぶのではなく、抽象化し、本質を捉えて学ぶことだ。

たとえばワインには、その産地にあわせて適しているワイングラスがある。有名なのは、ボルドーグラスとブルゴーニュグラスだ。そのほかにも形状の異なるグラスが何種類もあり、丸暗記すれば誰でも、ワインの産地にあわせたグラスを適切に選ぶことができるだろう。

しかし、ただ丸暗記しただけでは、新しい産地から新しいワインが出てきたときに、どのグラスで飲めばいいかを自分で判断することができない。この判断ができるようになるためには、「なぜボルドーグラスは縦長の形をしているのか」「なぜブルゴーニュグラスは横に膨らんだ形をしているのか」がわかっている、つまり、本質を捉えて学んでおく必要がある。

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