時代に負けない、キャリアの”背骨”の作り方 普遍性の高い、自分らしさを見つけよう

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この対極にある学びが、マニュアルの丸暗記や、ごく少ない具体的体験を過度に一般化して歪んだ持論をつくることだ。たとえば、たまたまクレームをつけてきたのが若い女性2人だっただけで、「若い女はみんなクレーマーである」と極論づけてしまうような非常にレベルが浅い学びだ。

こうした表面的な学びや浅い学びを避け、本質までを捉えた学びをするためには、常に「なぜ?」と考えることだ。トヨタの「なぜを5回繰り返せ」ではないが、なぜそうなのかという物事の本質まで深く考える癖をつけ、そこからメッセージを抽象化して学ぶことが重要である。

(3)ストレッチして学ぶ

もう1つのヒントは、仕事をストレッチすることである。たとえば、設計技術者がある部品を設計するのには、まず自分の仕事の範囲で設計図を引くだろう。しかしその自由度では限界がある。前工程、後工程、あるいは製造工程を含めてトータルで革新するとダイナミックなコスト削減ができると考えたとする。

そこで、高い成果を出すために権限を超えようとすると、いろいろな人のもとを駆けずり回ってその案を売り込んでこなければならない。おのずと自分とは直接の上下関係にない人たちを説得し、1つの目的に向かって動かす「横のリーダーシップ」が身に付く。

つまり、ちょっと背伸びをして仕事をストレッチしようとすることで、より普遍性の高い能力が身に付くのだ。

「自分らしさ」にも普遍性を求める

先ほど、自分が幸福になる自分らしいキャリアをめざすべきだとお話ししたが、では、自分らしさをどこに求めたらよいのだろうか。あまり具体的な部分に求めてしまうと、冒頭の「想定外変化」とバッティングしてしまう。

私がインタビューした中堅技術者は、こんなことを言っていた。

「入社直後は大学院で学んだ特定分野に自信があり、その分野について社内でいちばんくわしいやつだと言われたいと思っていた」

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