時代に負けない、キャリアの”背骨”の作り方

普遍性の高い、自分らしさを見つけよう

最近は専門性を複数持ち、それをつなぐ全体能力もあわせ持つπ型人材が注目されている。それも確かにあるが、それとは別に、背骨になる自分なりの専門性を決め、目先のビジネスとはたとえ無関係でも、これを生涯かけて掘り続けることは、キャリアにおいて重要な意味を持つ。

専門性というと堅いが、テーマでよい。ジャンルは問わず、若い頃たまたま興味を持ったテーマで構わない。先の読めない時代、自分の思ったとおりにならないことが多いが、それはどうにもならないということと同義ではない。

今の目の前の仕事に関係なくとも、そういった自分なりの何かを生涯のキャリアの背骨にしようと決めて、深掘りして勉強し、投資をし続け、嫌みにならない程度に周りにアピールし続けることで、自分の生涯のテーマに即した、自分らしいキャリアににじり寄ることは可能だ。

私のこれまでのインタビューでも、いくつかの好例があった。自分の関心分野について、社内で専門家委員会を設置し、自ら事務局を買って出て、その分野の著名な専門家と人脈をつくった人もいた。生涯のテーマに対して投資や布石を「習慣」とすることで、そこに近づくことは可能なのだ。

そして、こうしたキャリア自律が必要なのは、若い世代に限らない。定年が延長されるなか、目先の仕事に追われがちな働き盛りの世代こそ、自分の生涯のテーマを見つめる機会が必要だ。

入社3年後、さらに30歳、40歳、50歳の10年ごとに、自分のキャリアの来し方行く末を考える節目として、丸2日間くらい使ってもいいのではないかと思う。

ワークとライフを統合させる

最後に、ワークとライフの統合について話をしておこう。

人間は太古から、頭・体・心(感情)をフルに使って現代まで綿々と命をつないできた。しかし、極度に細分化した分業社会の現代においては、そのうちの限られた一部の能力しか仕事では使わないものになっている。

頭脳労働者は主に頭ばかり、肉体労働者は主に体ばかり、看護師や接客業に代表される感情労働では主に感情脳ばかり使うことを求められる。

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