伝統品こそアイデア次第で新しい価値を生む 「100万円祝儀袋」「方言のし袋」の魅力とは?

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品物には限界効用逓減の法則がある、という考え方があります。転勤の時、Yシャツ券をもらうことがありますが、1着目は嬉しくても、2着、3着ともらうとだんだん有難味が薄れます。

クリスマス用ののし袋

たくさんになると効用が逓減するわけです。ところが、おカネにはそうした逓減の法則が働きません。100万、200万ともらっても、もっと欲しいのです。これがおカネという財の持つ最大の特長だ、と教わったことがあります。いくらあっても嬉しいのですから、最も無難な贈り物と言えます。

そこで、サンエイさんののし袋です。クリスマスのおもちゃは何を贈ろうか。日進月歩のデジタルおもちゃに大人はついていけません。それなら、サンタさんが描かれたのし袋に現金を入れてあげたらどうでしょうか。クリマスカードが入っていると思ったら現金なのですから、子供も好きなものが買えて大喜びです。

最近の自信作はポチ袋

おカネを包んで渡すという習慣は、日本人固有の文化だそうです。その伝統に則って、どれだけもらっても嬉しい現金を包むのし袋の意義は、これからもっと高まると思われます。

芝池社長は、「楽しく仕事を」という気持ちで、次々と新製品を開発しています。最近の自信作は、ポチ袋です。いわゆる心づけ袋なのですが、贈る気持ちを言葉に添えました。「大判振る舞い」「はずんといたよ!」「ほんの気持ちです」、そして「これポッチ袋」というラインナップです。いかにもなにわ企業らしい言葉遊びですが、こうしたユーモアを添えて現金を贈れば、味もそっけもないおカネにも表情があるように感じられます。

モノがあふれる現代、おカネをユーモアでくるんで渡すのが、これからの贈り物のトレンドになるような気がします。

なお記事や写真に出てくるレターセット、クリスマス袋は、サンエイが企画開発し子会社のパピラスが販売しています。

竹原 信夫 日本一明るい経済新聞 編集長

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たけはら のぶお / Nobuo Takehara

有限会社産業情報化新聞社代表取締役(日本一明るい経済新聞編集長)。1971年3月、関西大学社会学部マスコミ学科卒、同年4月にフジサンケイグループの日本工業新聞社に入社。その後、大阪で中小企業担当、浜松支局記者などを経て、大阪で繊維、鉄鋼、化学、財界、金融などを担当。1990年4月大阪経済部次長(デスク)、1997年2月から2000年10月末まで大阪経済部長。2001年1月に独立、産業情報化新聞社代表に。年間約500人の中小企業経営者に取材、月刊紙・日本一明るい経済新聞を発行している。
 

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