ヤマザキ「ランチパック」人気の秘密 PB隆盛ものともせず

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直近では「なみえやきそば風」、「北上コロッケ風」などご当地グルメを意識した食材や、山崎製パンの子会社で、菓子メーカーの不二家のブランドを冠した「ネクターミックスクリーム」といった新しい商品が続々と登場している。このすさまじい新商品の発売ペースを維持できるのも、見た目はどれも同じなのに、中身を入れ替えるだけという構造がすでに完成しているからこそである。

今年4月には東京・秋葉原にランチパック専門店を出店。定番品からご当地商品まで、約30品がぎっしりと並んでおり、評判は上々だという。「さまざまな味を選ぶ楽しみを顧客に提供するとともに、ランチパックのさらなる認知度向上に役立てたい」(山崎製パン)。近々、2号店の出店も検討中だ。

切断した「耳」はラスクに

従来は飼料用に販売していた、製造過程で出る食パンの「耳」部分も、商売に変えた。今年4月、食パンの耳を揚げて味付けした「ちょいパクラスク」を投入。菓子メーカーに委託してパンの耳の部分を加工している。「ラスク」のパッケージはランチパックシリーズのパンと統一し、ランチパックの耳を活用していることを強調した。10月からは新たな商品を加え、2種類の味を展開する。

快走するランチパック。ただ、食パンの風味に合う具材を常に見つけ出していくのは簡単ではない。たとえば、ある工場ではラムネ味のランチパックを試作。だが、ラムネの酸味と、ふわふわした食パンの食感がどうしても合わず、発売を断念せざるをえなかった。顧客を常に飽きさせない、新しい味を投入し続けられるかどうか。古くて新しい課題である。
 

平松 さわみ 東洋経済 記者

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ひらまつ さわみ / Sawami Hiramatsu

週刊東洋経済編集部、市場経済部記者を経て、企業情報部記者

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