進化続けるロングセラー、味の素の強み 国内食品事業が気を吐く
デフレが続く国内の食品市場。昨年の「震災特需」が剥落する中、主要メーカーの2013年3月期の国内事業は、軒並み収益が後退する公算だ。好調を維持する企業は少数派。そのうちの1社が味の素である。
味の素が11月5日発表した13年3月期9月中間決算(12年4~9月期)のうち、国内食品セグメントの売上高は2265億円(前年同期比2.2%増)、営業利益は172億円(同5.7%減)と小幅ながら減益となった。一方、通期の国内食品事業は、カルピスの売却に伴う減収分を見込んで4118億円と前期比6%減るものの、営業利益は332億円と4.7%の増益を見込む。
前上期(11年4~9月期)は東日本大震災の直後、品薄状態の中で特売などの販促策を打たなくても商品が売れた状況だった。販促費は通常ベースから30億円ほど浮き、国内食品事業は大幅な増益となっていた。今上期は通常の状況に戻り、販促費の水準も元に戻っている。
「Cook Do」と「ギョーザ」が牽引
その中で、今上期を10億円程度の減益で抑え、通期は増益に持ち込む算段の背景には、発売40周年を迎えるロングセラー商品の存在がある。中華調味料「Cook Do」(=上写真=)と、冷凍食品「ギョーザ」。この2商品が国内食品事業を牽引しているのだ。
なぜロングセラー商品が好調な販売を持続できるのか。実はこの“超定番商品”は、今もなお進化を続けている。
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