ワーママが絶対通る「泣き言期」を脱する方法 「もう限界!」と騒いでも解決にはならない

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私も「泣きごと期」を迎えたメンバーとは、課題の整理から始め、「どうしたい?」「何をすべき?」とよく話し合いをしました。最初はごちゃごちゃの感情でも、次第に整理できていき、できる支援をさせてもらうことで、いつの間にか「泣きごと期」を通り抜けることはよくありました。一緒に考えてくれる上層部や人事の人を見つけていくことも重要ですね。

自分のことでもビジネス的に考える

あなたが両立生活を困難だと感じる一番の問題はなんでしょう? どうしたいのでしょう? そのためには誰と協議して、何を求めていくべきでしょう? 「辞めろってことかなぁ」などと考えて、「辞めてやる!」と思えるのならともかく、そうでないのならくよくよしていたって仕方ない。

あなたの大変さはよくわかります。私も通ってきた道ですもん。だからこそ、自分ひとりで抱え込んで、感情のブラックボックスに入りこみ、堂々巡りのサイクルに陥ってしまうのがいかに危険か知っているつもりです。長くビジネスの世界にいるんですから、自分のことでもビジネス的に考えること。冷静にきちんと課題を棚卸しし、どんな優先順位で解決していくか、改善策の選択肢はどんなものがあるか、考えていくようにしましょう。

ものすごい上昇志向なんてなくたって、育児と管理職を両立することは十分にできるはず。第2子を諦める必要はまったくないし、時短社員になる条件だって合致しているかもしれない。30代後半の管理職経験ある女性の求人マーケットは活性化しているはずだと思うし、ご主人もあなたを気遣って家庭でのチーム体制について何か案を持っているかも。

同僚の「辞めたらいいのに」の言葉は、「彼女なら乗り越えてお手本になってくれると思っていたのに」の裏返しかもしれない。一つひとつ考えていけば、一つひとつきちんと「できること」が見つかると私は思う。「どうすればいいでしょう?」はやっぱり幼い質問の仕方です。辛くてたまらないときだからこそ、「じゃ、どうしようか」と考えてほしいと思います。

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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