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貸借対照表から企業の安全性を分析しよう 会計知識の初歩【case study日産自動車】

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日産の貸借対照表から、資産状況を見る

 それでは、実際に日産自動車の平成24年3月期決算時の貸借対照表を見ながら、基本的な読み方を説明していきます。まずは、「資産の部」から見ていきましょう。

「資産の部」は「流動資産」と「固定資産」に分けられています。「流動資産」は、会計上の定義では「通常の営業循環内で使う予定の資産」ですが、一般的には「現預金」と「1年以内に現金化できる資産」を指しています。

日産の貸借対照表にある「流動資産」を見ますと、「現金及び預金」や「受取手形及び売掛金」などのほかに、特に大きな額となっているのが「販売金融債権」です。平成24年3月末で約3兆2000億円あります。これはいわゆるリース債権や車のローン債権で、リースで車を貸した、あるいは販売のためにローンをつけたその残高が計上されているのです。この額が大きいことは、自動車会社全般に見られる特徴です。

もう一つの「固定資産」とは、会社が経営のために長期間にわたって使い続ける資産のことです。日産の固定資産を見ますと、その額のほとんどが「有形固定資産」によって占められています。「有形固定資産」の大部分は、工場の設備です。さすがに日産は国内有数の設備投資業だけあって、有形固定資産の規模が大きいですね。

また、その中に「建設仮勘定」がありますが、これは建設中の建物やそこで使う予定の機械など、完成前の設備のことです。日産の建設仮勘定は2553億円と大きな額になっていますから、大型の設備投資を行っているのが読み取れます。

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【資産の部が終了。今度は負債の部へ】

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