国民負担で延命している東京電力(上) 政府はなぜ破綻させないのか

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けっして破綻することなどないと考えられていた東京電力(以下、東電)ですが、東日本大震災が起こった平成23(2011)年3月11日を境に、状況は一変してしまいました。

福島第一原発事故により、現時点で10兆円規模の賠償が必要との見通しがあるうえ、営業利益も赤字が続き、非常に厳しい状態に陥っているのです。今回は東電の財務内容を分析しながら、同社の現況だけでなく、政府や銀行の思惑についても読み解いていきたいと思います。

あまりに見事な震災後の財務対応

 まず、注目すべきは、震災発生から20日後に出された、東電の平成23年3月期の貸借対照表(バランスシート)です。これを見ると、驚くべきことがわかります(電力会社の財務諸表の作り方は、一般企業のものと少し違います。資産の部では、下が流動資産で、上が固定資産になっていることに注意してください)。

「流動資産」の中にある「現金及び預金」を見ますと、震災前である平成22年3月末は1801億円とありますが、震災直後の平成23年3月末には10倍以上の2兆2482億円まで急増しているのです。

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