国民負担で延命している東京電力(上) 政府はなぜ破綻させないのか

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原発問題抜きでも、東電の経営は厳しさを増している

 震災以降、国内の原子力発電所が相次いで停止し、現在、東京電力管内の原発もすべて運転を止めています。そのことで、東電にとって経営上の大きな問題が生じることとなりました。東電の平成25年3月期第2四半期の損益計算書を見てください。

平成24年9月期の「営業損失」が△1045億円とありますように、すでに東電は営業損益レベルで赤字が出てしまっているのです。これは、東京電力管内で原発がすべて停止しているために、その分、火力発電に頼らざるを得なくなったことが主な原因です。火力発電の稼働率が上がった分、LNG(液化天然ガス)など、発電に使われる燃料コストが急増しているのです。

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