国民負担で延命している東京電力(下)

政府はなぜ破綻させないのか

国民負担によって東電を救うといった構図になっているにもかかわらず、東電は破綻処理されないわけですから、経営陣も株主も責任を問われていません。私は、これは資本主義のルールに反しているのではないかと思うのです。

東電はいったん、会計的な破綻処理をして、経営陣や株主にきちんと責任をとってもらい、その上で再生すべきではないでしょうか。もちろん、破綻させても、被害者への賠償は確実に行わなければならないことはいうまでもありません。

実は、破綻処理をすることで、東電にとってもメリットがあります。大胆なリストラを行いやすくなりますし、JALがそうであったように会社の体質を変えていくこともできます。そして最も大きな利点は、中長期的なエネルギー対策についても考えやすくなるということです。その意味では、東電のためだけでなく、日本のためにも破綻処理が必要なのです。

今後の東電の見通しとしては、発送電分離や原発の稼働などを含め、どのような政策が行われるかによって、業績が変わってきます。また、最終的な賠償額がある程度明確になってきたり、損失が徐々に安定化してきますと、次の戦略を立てやすくなりますから、業績悪化の傾向が変わる可能性があります。

そして、原子力損害賠償支援機構(以下、機構)からどれだけのお金が入ってくるか、これも大きなポイントです。繰り返しますが、機構のお金は、電力会社が出していて、最終的には国民が負担せざるを得ないということを、国民として注視しておかなければなりません。

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