「二流大学」だってMBAを取得する方法はある 合格には「一流」より「ユニーク」を狙え!

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余談ですが、欧米の多くの国では大企業に勤務しているよりもベンチャーを立ち上げたとか、勢いのあるベンチャーで勤務しているほうが職業上のステイタスが高く、有名企業勤務を個人の能力とする風潮はそもそもありません。

つまり会社という「場」で何をしていますか、何ができますか、が問われるわけです。

ビジネススクールが求める「多様性」

実際にケンブリッジを含め有名校の学生の経歴は、コンサルや投資銀行、大企業に加えて、仕業、自営業、起業家、ベンチャー企業勤務、警察官、軍人、医者、NPO団体と非常にさまざまです。

MBAのクラスの価値のひとつは多様性です。つまりいろいろなバックグラウンドの学生がいるほうが、学校としてもありがたいわけです。私が在籍していた当時のケンブリッジMBAは学生数100名程度でしたが、40カ国からの国籍で構成されていたほどです。

したがって、学校名や勤務先名で勝手にギブアップする必要はどこにもありません。私自身、学歴や社歴などでハンデがあったとしても職歴で選ばれたと思っていますし、インタビュー時にも周りと違うがゆえに私のキャリアそのもので大いに盛り上がりました。実際、私の前後に入学した日本人学生は東大・早慶卒がほとんどでしたが、これは合格をもらったケンブリッジとオックスフォードの双方でそうだったので、間違いないでしょう。

私の場合は、都立高校から中堅大学を経て、学生のときからベンチャーに飛び込み(しかもITバブル崩壊後)、26歳で上場企業の役員になったといったユニークさがポイントだったのでしょう。加えて、その間に独学でCertified Management Accountant(CMA)などの職業上必要な資格取得もしているといったあたりが、「モチベーションの高い人材=将来、卒業生として活躍する可能性の高い人材」、と映ったのだと思います。

卒業生の活躍度合いによってビジネススクール(経営大学院)自体の教育機関としての評価が決まる以上、学校にとって「将来、活躍する可能性」が外せないポイントなのは想像しやすいと思います。これが大企業だとどうしても「一般的なキャリア」だと思われてしまうリスクもありますから、どっちを取るかはご自身次第です。

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