とはいえ、前者の形式面は、そもそもの前提として整える必要があります。満点を取る必要はありませんが、入学希望者が多い中では、学校の求める点数以上をたたき出す必要はどうしてもあります。逆に言うと、形式さえ整えておけば、アプリケーション(出願書類)を提出する権利は得たと考えて問題はありません。つまり入口は突破できるということです。
ただし、これらはあくまでも入口突破のためのツールですから、点数で満点を取ったからといって、当然、合格が保証されるようなものではありません。
そして日本人で意外と落とし穴なのは、いわゆるGPA(Grade Point Average)です。これは学部における成績の平均で、3.0とか2.5とか、統一の計算方法で学部時代の成績と単位数で計算がなされます。欧米に比べて日本では大学入学後に遊んでしまう人が多いので、意外と東大生でもこのGPAが低く、アプリケーションを出す際に障害になる人が多い印象です。
大学の成績がネックになる人が多い
実際に私の東大卒の友人はこのGPAがネックとなり、説明会で「正直、厳しい」と言われたこともあったそうですし、面接までたどりつかなかったケースでは、そういった話をよく聞きます。
このGPA問題は「過去にさかのぼれない」がゆえに、意外と厄介な問題です。MBAから同じ学校のPh.D.(博士号)に行こうとした人が、GPAが問題で事前審査で落ちた、という例すらあります。
もちろん中にはGPAが低くても合格するケースもありますが、少数だとお考えください。学生のうちに頑張っておくに越したことはありません。
さて、入口を突破したら必要になるのは実質面です。ここでは論文や職歴、インタビューでの出来が物を言うわけですが、日本人の学生は論文は業者を使うケースが多いので、インタビューまで行けるか否かは、ボランティアなどの課外活動を含む「職歴」でしょう。
ここで大事なのは、日本では何かと重要視される企業名という「社歴」ではなく、自分個人として何をしてきたかという「職歴」である点です。Y.T.さんがおっしゃるように企業名がもし大切だとすると、トップティア(一流)校のMBA取得者はみな大企業勤務経験者となってしまいますが、決してそんなことはありません。
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